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03月

人の手配できていますか?・・・復活の障害となるのは人の確保

ワタリガニ

事業復活のため、皆さん日々努力されていると存じます。
これからの経営の鍵は、人員の確保です。
人員不足であれば、売上を伸ばすチャンスを失ってしまいます。

前提条件:
外食産業で俗に言われることとして“ワタリ”という言葉があります。
ホントに不思議なことですが、応募者はいくつもの店を“ワタリ”歩いて、落ち着いた会社・店舗で仕事を続けていきます。
ラーメン店に勤務経験があると、まず他のラーメン店求人を探していきます。
蕎麦店に勤務経験があると蕎麦店を探していきます。そこで落ち着くと長く居てくれます。
※トップにある写真は、浅い海底を歩き回っている“ワタリガニ”の写真です。

最近では、自粛の影響が強すぎて、飲食業から他業界の食品スーパーや配送業界などの異業種への“ワタリ”もあります。
これは、大変なことです。外食産業での働く魅力が大きく低下しています。
外食産業の魅力が無くなれば、お客様も従業員も来てくれません。

人材不足企業での店側の大きな誤解1・・・仕事が厳しい
当店は仕事が厳しいから、人がすぐ辞めてしまう。
オリンピック選手や災害救助隊ではあるまいし、極限まで仕事をしてもらっている訳ではありません。
・・・辞める本当の原因は何かと考えてみましょう。実は仕事の仕方を全然教えてくれない。ほったらかしが原因だったりします。
そのくせ、“これやって、あれやって”と細かいことまで指示するため不満が溜まることが往々にしてあります。

人材不足企業での店側の大きな誤解2・・・立地が悪い
人がこない立地条件(都心部やど田舎)が悪い等の言い訳が多くあります。
本当に人の通行がない、最近テレビで流行りの“秘境”で人材募集しても無理でしょうが、そもそも秘境に立地してないはずです。人が住んでいれば、そこに消費者と働き手が必ずいます。
・・・ポイントは消費者の中から、気に入っていただいてもらい、今度は働き手になってもらうことです。
消費者の中から見つけることです。
一番原始的な人の確保は、店頭での募集ポスターや店内での人材募集の掲示です。
間違ったプライドで“人手不足企業か?”と思われたくないから、何もしないのは最悪です。

教 訓:
◉現在の人員を疲弊させないため、人材確保を優先しよう
◉様々な手段で募集をかけていこう

結 論:復活の鍵は人材の確保と教育

店舗集客にスタートダッシュをかける・・・いつやるの今でしょ!

店舗集客にスタートダッシュをかける

いよいよまん延防止等重点措置が解除され、日常活動を取り戻す時期がきました。
一部の外食産業の経営者の話に“このまま自粛が続いてくれ~”と願う人がいるのは驚きです。
どうみても経営が補助金頼りになっている。
補助金依存症
にかかっている。

こんな状態では大手、零細にかかわらず、いずれ店舗閉鎖の道にまっしぐらです。
自店の賑わいを取り戻しましょう。

1.微差が絶対差を生む・・・乗数のかけ算の事例

大衆型店舗では回復が早いでしょう。しかし、ある程度の客単価の店舗では回復に時間がかかります。
でも回復までじっくり待っているだけでは、とんでもないことになります。

ここで徐々に回復の店と積極的にお客様を呼び込んで、あるいは招待して売上を回復する店を比較してみましょう。
簡単な乗数計算をしてみます。(小数点以下3位は四捨五入してます)

徐々に回復の店:売上が2%ずつしか戻らない・・・
1ヵ月後1.02、2ヵ月度1.04、3ヵ月度1.06、4ヵ月度1.08、5ヵ月度1.10、6ヵ月度1.13%つまり13%のアップ。

積極的に努力している店:売上が10%ずつ戻っているとする・・・
1ヵ月後1.10、2ヵ月度1.21、3ヵ月度1.33、4ヵ月度1.46、5ヵ月度1.61、6ヵ月度1.77%つまり77%のアップとなります。

仮に自粛で売上が60%に落ち込んでいても、60×1.77=106.2と年内に元の売上に戻すことができます。
頑張れ外食産業!

積極的な努力とは、告知する、お招きする(DM、チラシ、メール、クーポン券)、お祭りする(イベントする)、来店の感謝をしっかり伝えることです。
別に“PAYPAY祭り”や“楽天カードマン”のように派手にする必要はありません。
自粛されていたお客様に気づいてもらうだけです。


2.その業種でトップ2までしか頭の中に残らない・・・買物行動の事例

“頭の中に残らない”を別の表現で表すと、ラーメン食べたいと考えたときに頭の中に想起されるのは2店舗だけです。
そこで頭は考えて“どっちの店にしようかな~”と比較検討して利用する店舗を決定します。

買物行動が習慣化している食品スーパーなどは、ほとんど1店舗しか頭の中にありません。・・・
いつものスーパーとなります。何しろ別の店舗に行くと、売り場のレイアウトが違う、好きな商品の置き場所が違う等、買物のストレスが大きくなります。どうしてもいつもの、お馴染み店に行ってしまいます。
皆さんも経験ありますよね。
これを専門的にいうとマインド・シェアといいます。つまり店舗やそれぞれの業種毎に商圏内があります。
商圏内の消費者の頭の中をのぞき、マインド・シェアの積み重ねが客数につながってきます。

例外は、飽きたから他の店にしよう!
たまたま通りがかりでしかもお腹がすいた場合です。お腹は我慢ができません。

参 考:集客のポイントについて、動画「5分で分かる店舗集客術のポイント」にまとめています。
ご参考にしてください。
YouTubeに移動します。(https://www.youtube.com/watch?v=fNcKeVm6BQc)



教 訓:
《スタートダッシュする》

・徐々にしか売上回復はしない、しかし回復スピードが大事!
・微差の積み重ねが「絶対差」を生んでしまう
・絶対差ができると追いつこうとしても、後から追いつくには多大な労力が必要になる

《あなたの店はどのくらいのマインド・シェア保っていますか?》
・マインド・シェアを乗数の効果で高める
・お馴染みさんが他店舗に通い出したら、クレームがない限りほとんど戻ってきません

結 論:スタートダッシュをきるよう準備万端にしよう!
    食材も人員も運営体制もスピード対応が必要。

Amazon様の弱点は?・・・店舗型サービスの強みは何!

広々とした店内

つい最近Amazon様がリアル店舗戦略の見直しという、驚きのニュースが飛び込んできました。
その記事には、対面式のリアル書店(Amazon Books アマゾン・ブックス)やAmazon 4-star(アマゾン・4スター)も含めて68店舗も閉鎖するとのことです。

Amazon様の始めは、店舗を持たずネットで注文を受けて倉庫(巨大配送センター)から配送するモデルがスタートです。
アマゾンは書籍のネット販売が原点です。
小売業の破壊者(デストロイヤー)として様々な小売業界を破壊してきました。
全米二番手の大手書店チェーン、ボーダーズを破産に追い込んだりしました。日本でも中小の町の書店が次々と廃業に追い込まれました。

お得意商材であるはずの書籍を扱う、リアル書店で自ら撤退するとは
・・・これってどういうこと?

世界最高水準の頭脳集団が企画して、
ついでに言うと平均給与が1,000万超えている人材が考え、
最高のテクノロジー(AI技術を使った画像解析、店内行動分析、自動精算等)を使い、
書籍の売れ筋データも完璧に持っている会社でうまくいかないのは何故?
小売業でヨダレを垂らしても欲しい、単品別売上データを持っています。

どう考えても分かりません。
そこでしばらくの間、脳髄を絞りだして考えてみました。

全くの同一商品で比較してみましょう。
書籍はネットでもリアル書店でも、どちらでも購入することができます。
違うのは販売方法だけです。
そこで、こんな大胆仮説をたててみました。

仮説1;余裕や無駄がないため、買い物が窮屈だった・・・エース販売員の事例

Amazon Booksでは、ベストセラー順に書籍を展示したり、売れている或いは人気のある分野に絞り込んで、これが売れていますよ!という販売方法をしたのではないでしょうか。
Amazonお得意の売れ筋データベースを活かす販売方法です。
それがお客さんにとって、買い物に窮屈さを感じたのではないでしょうか。
(監視カメラが一杯あり、オラオラ買えというオーラが店内に漂っていた)

全く別の話題からアプローチします。
SCショッピングセンターや百貨店の小売店支援もしていました。
あるレディースショップのオーナーの一言が強烈でした。
販売額No1の優秀者な販売員を集めて店を作ったら、売上が逆に下がった。・・・?
お客さんがこの店舗に入ると買わされてしまうと感じて寄りつかなくなった。

逆にリラックスできる、おとぼけ販売員が混じっていると、お客さんは気楽に買物ができます。
皆さんもご経験ありますよね。家電店に入るといきなり販売員が飛び込んで来て、何かお探しですか?と言われても困る。
リアル書籍販売では、いろいろ書籍をみて発見する喜びが書店にあります。
余裕や無駄がないとお客様はリラックスできません。


仮説2;極めて合理的かつ便利ではあるが、気遣いができない・・・Googleおじさんの事例

私の会社にも“Googleおじさん”から電話がありました。
営業時間の確認電話です。たぶんGoogleマイビジネスの確認です。
凄いと思うのは、Googleおじさんから電話があり電話を取ると、自然言語に近い流ちょうな話し方と抑揚で営業時間を聞いてきました。
もちろんAIによる合成言語です。
(最近ではニュース朗読で原稿を読むアナウンサーとして使われている)

うっかり人間と思ったので、「ホームページに載ってますよ!」と答えました。
そうすると、しつこいように平日の営業時間を教えてください・・・と聞いてきた。
ここでハッと気づきました。こいつは機械だ!と。

通常、新入社員研修で実施する電話応対の研修で、もう一度聞き返す場合には“申し訳ございませんが・・・”と一言付け加える。
人間と違い“気遣い”ができていない。
AIに新入社員研修のやり直しが必要だ。
ここで気を取り直して、NHKのアナウンサーよろしくゆっくりと明瞭な発音で答えてあげた。

Amazon様の話しに戻り、アマゾンの最初のサービス開始のころから利用しており何百万円と利用しているが、
今までアマゾンの社員の方に会ったことはありません。
展示会での講演聴講だけです。

最近ではネット系サービスでチャットボッドによる質疑応答が多くなっているが、答えてくれたチャットボッドにありがとうと言ったことは一度もありません。

コールセンターの方には、明快な回答で解決できるとつい“ありがとうございました”といってしまいます。
つまり大事な点は機械 対 人サービスに“ありがとう”は発生しない。人による対人サービスに発生する。

人・人サービスに発生する。Amazonのリアル書籍店舗では、テレビモニターで会話できるようにするとかが必要だったかも知れません。
リアル店舗でどんなに便利でも自動販売機だらけの店には、あまり行きたくありませんから。
リアル店舗では人・人ニーズが重要なファクターとなる。


仮説3;売れ筋データベース活用の泥沼にはまり、買い物の楽しさを忘れた

最新のテクノロジーに突っ走ってキャッシュレス・自動精算技術にうぬぼれた。
1分間に100個の商品を分別する配送センターじゃあるまいし、書店で精算に1分かかっても誰も文句を言わない。

ネット書籍販売では、購入予定者はある程度のテーマを決めて、もしくは書籍タイトルを決めて検索しながら購入していきます。
目的買いです。
しかし、リアル書店では、漠然と書店に寄ります。
プラリプラリと棚にある書籍を何回も手に取り、流し読みしてから気に入った物を購入します。
そこには、掘り出し物を見つける体験があります。

いろいろ見て発見する買い物体験があります。予定外の買物が起きます。
実際に食品スーパーでお客さんがメモした商品しか購入しなかったら、スーパーは倒産すると言われています。
ついつい買物カゴに商品を放り込むからこそ、スーパー経営は成り立っています。これがネットスーパーではできません。

今の私の気持ちは、仮説を検証するため直ぐにでも飛行機に乗ってアメリカに行ってAmazon書店を見てみたいです。
しかし時間とお金が無いので止めておきます。

まとめ:私の独断と偏見でまとめます

《Amazon様の強み、弱み》
・買い物がとても便利でスピーディーです、これが一番の強み。
・検索型の販売が得意。
・目的買いに向いている。形の決まった商品や合理的買物にとても向いている販売方法です。
・1対1のサービスは大の苦手、書店でお客様の要望を聞いて書籍を探してあげる書店コンシェルジュ。
 (例えるとホテルでタクシーや観光地を調べて予約してくれるコンシェルジュサービスのようなもの)は苦手です。
・リアル店舗サービスにおける人・人サービスの重要性に気づいていない。

店舗型サービスの強み、弱み》
・空間での買い物体験を提供できる。居心地の良さも店舗の売りである。
・発見型の販売が得意。
・人・人との接点を楽しめる。人間は寂しがり屋である。例えると書店にある手書きPOPが一目を引く。暖かさを感じる。
・人・人サービスにおいて気遣いができる。“ありがとう”と言ってもらえるサービスができる。
・弱みは店舗運営コスト、人件費が重くのしかかる。

異論・反論・オブジェクションをお待ちしております。
気になった方は是非、一言だけでもコメントかメールください。

ゼロスタート・・・店舗型ビジネスを再構築しよう!

旅館のバイキング

新型コロナの影響が長く続いてきました。
個人的なことではありますが、私は何十年もの間サービス産業、特に外食や宿泊産業のコンサルティングにかかわってきました。

このコロナ禍において、これほどの影響を事業に与えるとは全く予測できませんでした。

日本は地震大国で台風の被害も毎年のことのように繰り返されていました。そのため、被害の程度は別として、自然災害の被害はある程度予測可能でした。

事業継続計画・・・BCPも作成し非常時の対策も効果を発揮してきました。従業員の安全確保、お客様の誘導、災害対策備品や医薬品の備蓄等してきました。
特に効果があったのが、従業員の安全確認のための連絡網の整備です。不要な心配がなくなりました。

しかし、今回の感染症の世界的な流行には、全くなすすべがありませんでした。
次々と新しい対策が求められてきました。

コロナ禍での時代の変化は何でしょうか?

先ほどの話しではありませんが、何十年とコンサルティングを続けていると気づくものがあります。
世間の話題は時代時代を反映して、その都度人気のテーマは移り変わります。
コンサルタントして若い頃は、今流行っているテーマは何だと常に追いかけながら仕事をしていました。

大昔は、ファミリー(家族一緒の食事)が必須だ、メニューの幅が必要だ。
その後、いやいや専門店の時代だ、イタリアンが流行っている。

さらにアルコールを積極的に取り扱うと客単価が大幅に増える・・・居酒屋ブーム、一気呑みの弊害等々続いてきました。
最近では低コストでの提供が可能な業態として鶏唐揚げや焼き鳥業態に一斉に参入しています。
そこで気づいたことは、ブームを追いかけると必ず山あり、次に大きな谷があるということです。

おもちゃで例えると“たまごっち”がそうです。
じゃあ長く事業を続けている外食や旅館の特徴は何かというと、“時代の変化を少しずつ取り入れて自ら変革”を図っているということです。

対面型ビジネスの見直し

この2年と少し続いている対面型ビジネスの見直しではないでしょうか。
それは、店舗型ビジネスのビジネスモデルを揺るがす“対面型サービス”です。

外食も旅館もコンサル会社もそうですが対面で接客する、対面でサービスを提供する、対面でコンサルティングをすることが空気のように当たり前でした。
今はそれが嫌われ、禁じられています。

対面型サービスは成立しない時代となったのでしょうか?
ネット型企業しか生き残れない時代なのでしょうか。
私の答えは【対面型ビジネスオンリーの見直し】です。

つまりお客様接点で重要なポイントは対面の強みを活かし、その他の部分は自動化、合理化、非接触のサービスを推進していくことです。
例えると衛生管理での自動水栓や手をかざすだけの消毒機能、現金授受をなくして非接触決済の導入等です。
確かにネット企業Amazonの利用頻度は増えましたが、とても便利というだけで感動を生んだりしません。

生き残っている外食、旅館の特徴

私は百年とコンサルティングしている訳ではありませんが、生き残りの秘訣は見えてきました。
(お分かりの通り、私はすでに“おじさんコンサルタント”ですが経験者語るです)

生き残り企業の特徴は、【流行を追うのでなく常に自己変革をしている】ということです。

旅館で例えると、大宴会場型の旅館から家族、友人同士の宿泊型へ、
部屋に勝手に入り込むサービスから個室型サービスへ、
大浴場からお風呂ランドや個室風呂へ、
宿泊+ゲームから宿泊+健康アップ(マッサージ機能やリラックス)へと
少しずつ変化しています。

表面的には全く気づきませんが内部でお手伝いすると分かったこことは、生き残っている旅館は毎年必ず投資を継続しており、少しずつリニューアルしていることです。

例えると虎屋の羊羹(ようかん)です。
羊羹業界は新規参入もないし、味は昔の製法を守っているだけの楽チンな商売を考えていました。
ところが300年以上続いている秘訣は、お客様に気づかれないように少しずつ味や店舗を時代変化に合わせて変えているとのことでした。
もしも100年前の虎屋の羊羹を食すと砂糖だらけと思ってしまうでしょう。


ゼロスタートの条件

1.対面型サービスオンリーを見直してみよう
2.お客様が喜んでもくれないサービスは切り捨てて、非接触に切り替えていこう
3.時代の要望に応えて、従来サービスを見直し自己変革しよう

・・・これができる企業のみが“長生きできる”

・“頑張れ外食産業!”チャンネル  運営者:図解工房 山本稔
 HPは:https://www.zukai.jp/ ・メール連絡先は:info1@zukai.jp