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生産性革新のための意識改革

生産性革新
~ まず意識改革から ~

新常態 New normalとは
・・・どんな現象が起きているか?


衛生管理意識の飛躍的に高まった。

おかげで、風邪薬がさっぱり売れない。

普段はマスクをしない人まで、外出にはマスクを着用している。

手洗いを外出後に帰宅すると必ずしている。
店内・室内に入店後の直後と退店時にも消毒している。

店内や室内に入室の際には、

・対面サービス、接触はできるだけ控えたい。

・長時間の会話では飛沫感染リスクが高くなる。会食時間の短縮化が始まっている。

・席配置は余裕がある方が良い。
 できれば、個室にちかい状態が望ましい。カウンターでは仕切り板があると安心する。

・換気がしっかりしているか気にしている。焼き肉店の人気は換気システムにある。


< 外食・宿泊産業での対応策 >


●新常態に備える

・衛生管理に投資をしていく。

・接客やオーダー受注の仕方で、できれば非接触状態で受注したい。

・調理場の生産性を高めたい。

●生産性の革新について

・従業員が安心して働き続ける環境を作らないと会社は存続できない。

・独身の時と結婚したとき、子供ができたときには生活費がかかる。

・家族構成により生活費が大きく変化することを認識しておかないといけない。

⇒給料を上げても人件費率が変わらないマジック? ・・・こんなことあり?

常識的に考えて賃上げすると全体の人件費総額は上昇する。


生産性を高めるには
・・・どうするのか


付加価値額の総額を増やせば、人件費総額/付加価値額 つまり労働分配率は変わらない。

人件費率もかわらない。

極端にいえば、同一の総労働時間でも、より多くの粗利(付加価値)をとれるように商売のあり方を革新していくしかない。

賃上げできる体力をつける=一人当たりの付加価値を上げ続ける経営努力しかない。

→ここでいわんとしていることは、付加価値生産性をあげることにつながる。
→これは、ただのへ理屈?

実際、外食・宿泊産業のコンサルティングにおいて、私は多くの経験をしてきました。

そこで見た現実とは、従業員やパート・アルバイトが離職する最も多くの理由は、

人間関係がいやだ、耐えられない。

次に会社・店舗の将来性に“見切り”をつけた時です。

この会社・店舗に居ても将来の発展がないどころか、ますます環境が悪くなっている・・・、
辞めとこ。

ちょっとだけ、小難しいことを述べると

社会主義経済圏での欠点は人間の欲に配慮
できていない点です。

賃金が上昇せず、同一労働同一賃金の元ずっと同じだとどのような現象が起きるか?
平等社会?

必ず労働意欲の減退と“手抜き”が起きます。

経営者が仕方がないよね!と言っている間にやる気のない会社・店舗と

“どうせ給与同じなら楽しよう”という意識になります。



●生産性を高める方程式


生産性を高める手法は様々あるが、ここでは大きく3つの要素に分解して説明をさせていただきます。

少しだけ数式がでますが、お付き合いください。

方程式
一人当たりの付加価値=付加価値/従業員数=(付加価値/売上高)×(固定資産・設備/従業員数)×(売上高/固定資産・設備) に分解できます。

これを分かりやすい表現に変えてみます。
つまり一人当たりの付加価値=売上高付加価値率×資本装備率×固定資産と設備の回転率 に分解されます。

さらに、売上高付加価値率=商品付加価値×技術革新×人的生産性 に分けられます。

これからの経営に必要な点:

・衛生管理の徹底と安全安心のアピール
・接客工程の見直し
・調理工程の見直し
・精算方法の見直し

シナリオ・プランニング4つのポイント
リスクへの対策4つのポイント


前提条件として3つの『意識改革』が必要:


①“手作り神話”→手作りが美味しいに決まっているという呪縛から抜け出す

ただし味そのものを変えることでない。
作り方を・調理方法を変えていくことである。
もしも、味を変えてしまうと痛いしっぺ返しがある。

手作りの方が美味しいに決まっている。
肉、野菜は包丁での手切りに限る。

仕込みは4時間かけてとろけるまで煮込むものである。

●手切りでなくアナログ化、道具の活用、機械化、仕込み時間の短縮

②“おもてなし神話”→対面サービスこそ最高という呪縛から抜け出す

東京オリンピックのプレゼンで有名になった日本のサービス「お・も・て・な・し」
(東京オリンピック誘致プレゼンをした女性は小泉環境大臣の奥さんになられた)の
やり方について、見直さないといけない。

●注文方法の一部セルフ化、料理提供、料理下げの効率化、接客工程の見直し

③“こだわり神話”→日本人の凝り性から合理的な作業方法を放棄している

グラスは一つ一つ手で洗浄、拭き上げをしている。
そのこだわりにお客さんは納得しているのか、

お客さんに差異が理解されているのか、
ありがた迷惑なのか、押しつけサービスではないか。

●作業方法の見直し、自動化、機械化



しかし、ここで現場から山ほどの反論がでてくる・・・


この意識改革がまずできていないと、現場の幹部と従業員から山ほど反論がでてきます。

・・・○○するとお客さんが怒る、

・・・○○をセルフにするとサービスの評判ががた落ちになになる、

・・・○○に変えると味が落ちてお客さんが離れていく、

・・・試してもないのに反論が山ほどでてきます。

3つの意識革新を起こす必要があります。

しかも、日本のサービス産業にとって、これが根が深い神話になっている。

ほとんど“呪い”に近い。

デービッド・アトキンソンに又、本に書かれてしまう。
「日本は生産性が低すぎる」うんぬん、うんぬん・・・


●ロードマップを設計して取り組む


やみくもにやれば良いというものではない。

重点検討事項と、そのアプローチについてロードマップを作成しました。

シナリオ・プランニング_シート



●ある意味、合理的という視点から「マクドナルド」の例を話します


マクドナルドに仕込み作業はありますか?
・・・整形したものが納品されています。

マクドナルドで皿洗いはありますか?
・・・すべて使い捨て容器です。

わたしはマクドナルド閉店後の使い捨て容器のゴミの山を見たことがあります。

マクドナルドの従業員は閉店後の片付けしてますか?
・・・閉店後、清掃専任バイトにさせています。

結論:マクドナルドでは、店舗にて売上に直結しない作業は一切させていません。

●ゼンショーグループを徹底して調べた?

(社名の由来は何と全勝、ゼンショーするという意味です。)


長い間、日本の外食産業売上トップとして君臨していた日本マクドナルドを初めて追い越した。

現在では、グループ年商6,000億のダントツの一位である。

マスコミは、2020年の決算から企業業績を『K字業績』と呼んでいる。

コロナ禍で業績を上げた企業群と業績を大幅に悪化させた企業群に
Kの文字のように業績が、真っ二つに分かれるという意味である。

そこで大きな疑問に思ったことがあった、・・・

何故、吉野家はファーストフード店の牛丼が主体なのに関わらず赤字決算?
同様にゼンショーは牛丼“すきや”を営業しているが黒字。

何故、ファミリーレストラン業界雄のロイヤルホールディングは大幅赤字?

同様にゼンショーはビッグボーイ、COCOSを営業しているが黒字。

『K字業績』という言葉に騙されず、決算分析と徹底して店舗実査をしてみた。


吉野家は対面接客の呪縛から、オーダーをいちいち“ハーイ”と言いながら走って行って対面で
 注文取っている。

“すき家”では注文は、ほとんどテーブル上のタブレットで顧客が勝手にオーダーする。
 何とテイクアウト注文まで、顧客に自販機入力させている。

ロイヤルでは、洋食ファミリーレストランの格式から順番通りに料理を提供する。

・ファミリーレストランCOCOSでは、ドリンクオーダーをいちいち注文を取らない。

ドリンクコーナーはドリンクバーで各自が自由にセルフで取る。

スープとライスとサラダとか個別で注文しない、AセットやBセットで済ませる。

注文料理はワンセットで提供される。注文と料理提供の往復回数が圧倒的に少ない。

素人が一見するとメニュー数は大変多いが、主力の“包み焼きハンバーグ”で合わせ具材を変化させているだけ。

調理はシンプルな工程になっている。大げさに言えば、トッピングでの変化対応である。

ビッグボーイでは、サラダバーやドリンクバーを充実させてセット化を促進している。

比較的単価が高いにも関わらず、こちらもワンプレートで提供している。

メニューの写真撮りがうまく、ステーキとハンバーグの順列組み合わせ。

カット方法、焼き方の工夫で変化対応している。

メニュー構成上の具材の種類は驚くほど少ない。

全店共通の精算方法(自販機でのオーダー店舗を省く)

・精算伝票はたった2桁の注文番号+精算キーの入力である。
 店内滞在客に00~99番の2桁数字で注文番号を付番している。
 精算時のイメージは、“ピッ、ピッ、パッ”の3つキーを入力するだけで早い。

・レジ内部処理で、精算コードを連番で付与して、伝票の連続性を保持していると思われる。

・精算方法はクレジット系ショッピング、QRコード、携帯系電子マネー、交通系電子マネーと
 あらゆる支払手段に対応している。現金授受のやり取りをしないように促進している。

・現金客は多い店でも5割、少ない店舗だと2割ぐらいしかいない。
 さらに現金授受はスーパーで導入している自動釣銭機を導入している。
 ポケットに現金を投入するだけで、お釣りは自動で出てくる。

・私は、余りに処理が素早いので、ポイント付与をお願いするのを忘れてしまった。
 再度、ポイント付けをお願いした。

・驚いたのは、どの業態の店舗も客数は多い。
 競合店の商品構成と価格帯をチェックしており、量目で比較すると必ずお得になるように工夫している。

そのためコロナ禍にも関わらず、どの店舗も客数は多い。

では、ゼンショーの店舗は“サービスが悪い”との評判だろうか?

ネット上の評判もチェックした。
否!である。対面サービスをしている吉野家よりやや高かった。何だこれは!
吉野家社長は、対面サービスを自慢しているが、自己満足ではないのか?


・接客工程の見直し
・調理工程の見直し
・精算方法の見直し

・・・上記のことを忠実に実行している企業がここにあるではないか。

生産性を上げる取り組み』が、徹底していると改めて感心させられた。